ジャケット
ジャケット 2005
THE JACKET
闇の先、君がいた
- ジャケット/キーラ・ナイトレイ
- ¥2,280
- Amazon.co.jp
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監督: ジョン・メイバリー
製作: ジョージ・クルーニー
ピーター・グーバー
スティーヴン・ソダーバーグ
製作総指揮: ベン・コスグローヴ
マーク・キューバン
ジェニファー・フォックス
アンディ・グロッシュ
オリ・マーマー
ティモシー・J・ニコラス
クリス・ロバーツ
ピーター・E・ストラウス
トッド・ワグナー
原案: トム・ブリーカー
マーク・ロッコ
脚本: マッシー・タジェディン
撮影: ピーター・デミング
プロダクションデザイン: アラン・マクドナルド
衣装デザイン: ダグ・ホール
編集: エマ・E・ヒコックス
音楽: ブライアン・イーノ
出演: エイドリアン・ブロディ ジャック・スタークス
キーラ・ナイトレイ ジャッキー・ブライス
クリス・クリストファーソン ベッカー医師
ジェニファー・ジェイソン・リー ローレンソン医師
ケリー・リンチ ジーン・ブライス
ブラッド・レンフロー 見知らぬ若者
ダニエル・クレイグ ルーディー・マッケンジー
スティーヴン・マッキントッシュ
ブレンダン・コイル
マッケンジー・フィリップス
ジェイソン・ルイス
ローラ・マラーノ
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「戦場のピアニスト」のオスカー俳優エイドリアン・ブロディと「パイレーツ・オブ・カリビアン」のキーラ・ナイトレイ共演の異色サスペンス。
1992年と2007年の2つの時を往き来しながら自らの死の謎を探る青年と、そんな彼と恋に落ちる孤独な女性の悲愴な運命をスリリングに描く。
監督は「愛の悪魔/フランシス・ベイコンの歪んだ肖像」のジョン・メイバリー。
1992年、湾岸戦争で重傷を負ったジャックは、その後遺症で記憶障害を抱えていた。
1992年、湾岸戦争で重傷を負ったジャックは、その後遺症で記憶障害を抱えていた。
ある日ヒッチハイクの旅に出た彼は、車の故障で立ち往生している母子に出会う。
酔いつぶれた母親に代わり車を修理し、少女ジャッキーに自分の“認識票”をプレゼントするジャック。
その後若い男の車に同乗させてもらった彼は、途中で事件に巻き込まれ、意識を失ってしまう。
目を覚ましたジャックは警官殺しの罪で逮捕され、精神病院へと送られる。
彼はベッカー医師による矯正治療を受けることになり、拘束衣を着せられ狭い引き出し棚に閉じ込められてしまう。
暗闇の中で意識を失うジャック。そして意識を取り戻した時、彼は15年後の2007年にタイムスリップしていた。
やがて彼はそこで美しいウェイトレスと出会うのだが…。
★★★★★★★☆☆☆
ジャンルが難しい映画ですね・・
下地はSF。
タイムスリップ映画です。
ところが最近のタイムトラベル映画は、
もう昔の冒険SFでは飽きられるのか、
サスペンス&恋愛=感動作が多いですね。
一番似てると思われるのが「バタフライエフェクト」
しかしあれは(時をかける少女)のように、
生きてすれ違いなのです。
それがまた清純ラブストーリーのようでみずみずしかった。
これはまたそこが違います。
もっともっと大人の恋愛を超えて生きる死ぬ意味。
だから100分足らずとしたのはめまぐるしく減点です。
とても残念。
俳優の演技は恐ろしくよいし、
最後のほうになると感動でしばし余韻に浸っていました。
M・ナイト・シャマランが作ればどうなっていたかなぁ・・
と思うような感じの作品です。
これでピンと来る人もいると思いますが、
この映画の描こうとしている世界観は壮大で崇高ですらあります。
ただその時間制限が脚本を安直に仕上げているのか、
つじつまあわせが気になったし、
しかし繰り返しますが描こうとしている世界観は感動でき、
共感もできるので全然観て損はしません。
共感というのは、
観ていて主人公をうらやましくも思ったからです。
たとえば生きているような死んでいるようなそんな、
自分の意味がわからない時ってなかったかな?
いつも充実しているわけではなく、
そういう時代って誰しもあると思う。
何も音沙汰なく平和だと思って暮らしている日々も、
その時間の終点がわかるとすれば?
人はその意味を捜したくなると思う。
その感情はノホホンと生きてるときには実感できない。
いつも意味を探したいと思っていても、
それが終点を暗示されればあせると思う。
それがこの映画のきっかけとしてうまい入り口になる。
過去にあった「ジェイコブズ・ラダー」あの作品がそんな感じです。
宗教性哲学性のある映画を味わいたい人には向いています。
それをそんなに難しくなく娯楽も取り入れて見やすくしてあります。
主人公が最後に選んだ選択というのはどのSF映画にもあるのですが、
よくある恋愛SFではなく、
ちょっとファザコン入った選択に、
もしかしたらこいつは神じゃあないのか。
こんな幸せな選択ってないよなぁ・・と感心してしまうくらい。
本当に時間の都合で安直でつじつまあわせなのですが、
俳優の演技とラストの崇高さに感動できるかも。
なぜ相手を好きになったのか?
なぜそんなにと疑問に思える突っ込みはたくさんできる映画。
時間が短すぎる・・
それでも自分で許して理解しながら見れたのはやはり俳優の演技かも。
誰しもやり直したいという時間は、
おおよそ自分のためであります。
しかし私がなぜタイムスリップ映画が好きなのか、
その疑問がこの映画に隠されています。
もちろん冒険ができるということの他に、
自己を犠牲にしてでも愛する人を守る。
(この映画は自己犠牲というテーマではありませんが)
永遠にその漫画のようなプラトニックで純真な世界が好きなのです。
そしてタイムスリップ映画のお約束も好き。
それが自分がしたことが相手に覚えてもらえていないこと。
映画によってはそこが違うものもありますが、
これこそ究極の愛だと思う。
普通は代償がなければ人を助けないでしょう。
覚えてももらえない結果でも旅ができる。
その答えを探すために人は旅を続けているのかもしれませんね。
・・と、
こんな言葉がポロポロ出てくるのが恥ずかしくなってきましたが(苦笑)
そんな気分になれるかもしれない映画です。
もう少し丁寧で時間があれば「バタフライ・エフェクト」に匹敵する映画なのに・・
惜しい。
個人的にタイムトラベルの方法がリアルすぎて、
それがあまり説明されていないこと、
時代背景はよかった(湾岸戦争後から2007年へなど今見たらタイムリー)
そこらが関連が時間の都合で曖昧だということ。
でも私は好きな映画です。
ネタバレ
↓
サスペンス的に悪いやつはさらりと悪く事故のように簡潔。
そして時を超え主人公が医師に問う場面、
医師は死んだものと思ってる相手が責めるのを聞き、
罪の意識か記憶のかけらか涙を流す。
この場面は好きです。
この映画でもうひとつ思ったのが、
人生はやり直しがきかないけれど、
最後にその意味を見つけられれば幸せ。
そのために生きてるのだから悔いのないようにしようと。
・・でもまたノホホンな生活に戻れるのが人間(爆)
「わが輩は猫である」になるんだろうなぁ。
意味などないと思ってるほうが楽だから・・