八つ墓村 | 桜さんの映画鑑賞日記

八つ墓村

八つ墓村  1977 日本


八つ墓村 (期間限定)
¥2,000


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


監督: 野村芳太郎
製作: 野村芳太郎
杉崎重美
織田明
原作: 横溝正史
脚本: 橋本忍
撮影: 川又昂
特殊メイク: マキシーン・坂田
美術: 森田郷平
衣装: 鈴木康之
原島正男
松竹衣装
編集: 太田和夫
振付: 花柳滝蔵
音楽: 芥川也寸志
サントラ盤: ビクターレコード
殺陣: 菊地剣友会
 
出演: 渥美清 金田一耕助
萩原健一 寺田辰弥
小川真由美 森美也子
花沢徳衛 磯川警部
山崎努 多治見要蔵・久弥
山本陽子 多治見春代
市原悦子 多治見小竹
山口仁奈子 多治見小梅
中野良子 井川鶴子
加藤嘉 井川丑松
井川比佐志 井川勘治
綿引洪 矢島刑事
下絛アトム 新井巡査
夏木勲 尼子義孝
田中邦衛 落武者A
稲葉義男 落武者B
橋本功 庄左衛門
大滝秀治 諏訪弁護士
夏純子 美也子の妹・和江
藤岡琢也 久野医師
下絛正巳 工藤校長
山谷初男 馬喰吉蔵
浜田寅彦 吉岡太一郎
浜村純 森荘吉
吉岡秀隆


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



★★★★★★★★★☆☆

メラメラめちゃツボにはまりました(爆)

ホラーサスペンス大好き、スペクタクル冒険もの大好きなので・・

金田一が寅さん(男はつらいよは未見)だったので不安でしたが、

この作品は誰が金田一になっても違和感がないと思う。

ただしその後のリメイクで豊川悦司が酷評されているところをみると・・

渥美清の金田一も悪くはないと感じる。


まずは加藤嘉(お気に入りな俳優)が冒頭からいきなり毒殺され消える。

萩原健一は実は好きな俳優なんですが作品自体見たことがない。

私の中では誰がなんと言ってもショーケンは落合監督でありウィル・スミスなのですが(爆)

ひょうひょうとした雰囲気が好きですね。

石坂浩二の金田一と匹敵するのはショーケンもいいかも・・

まあショーケンは今回は金田一ではなく主役相続人です。

犯人も筋も特にひねりがなくわかりやすいのですが、

犬神家より私の感性に合ったということはやはりホラー色が強いから。

現代社会から閉ざされた山中の村はまるで、

ヴィレッジ」そのものです。

この作品は洋画で自ら過疎近親社会を築く社会派ファンタジーでした。


回想の中で本当にあった事件(津山連続殺人事件)をモデルにした、

山崎務の気狂い演技が不思議と美しい・・

桜の散る中を蝋燭を頭に着け猟銃や刀を振りながら追ってくる。

殺戮の間合いは「シンドラーのリスト」を見ているようで、

映画ならではの娯楽だと感心しました。

落ち武者の首が笑うシーンはちょっとやりすぎで笑ってしまうけど、

全体に感じる哀しい人間のエゴや過疎の心理など、

今の映画には描けないであろう味があります。

役者が違うのか監督が違うのかとにかく昔の邦画はよい。

気がつけば監督は「砂の器」の野村芳太郎・・


後半に洞窟が出てきますが、

私は洞窟が好きで映画に洞窟が出てくるとたまらない

インディジョーンズの魔宮の伝説が一番好きなんですが、

洞窟の中が暗くてよくわからないとかはどうでもいい。

見にくいからこそ洞窟なんですよ。

この洞窟映像は日本各地の洞窟をうまくつなぎ合わせて編集されていて、

私の行ったことがある秋吉洞や龍河洞も出てくる・・

高知の龍河洞は特にお勧めです。

あんなところであの人に追いかけられたら・・

今度行ったときにそれを思い出してみよう(苦笑)

そのシーンはたいして怖くはなかったですね。

特殊メイクが中国ゾンビ映画のようでコミカルでしたから。

それよりも何よりも怖かったのがエンデイング!


見た人はわかりますよね?

あれ、大ウケしてしまった。

怖いしおかしすぎる。

あそこらの演出がサービス精神満点で、

まるでアトラクション体験したかのような爽快感がある。

その後に金田一が語る血の因縁、

あれは復讐の爽快感のあとの空しさを感じ、

この因縁は現代までも続いている消えない歴史となる。

そして飛行場の風景にあれはあの村は何だったのだろうかと・・

まさしく現代に語り継がれる哀しい御伽噺

こんなホラーサスペンスにもどこかノスタルジーを感じてしまいました。


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ビックリマークヴィレッジ

見てない人はぜひ!

予想できても哀しくこっけいであるラストは後をひきます。


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