ぼくは怖くない?
ぼくは怖くない 2003 イタリア
IO NON HO PAURA |
I'M NOT SCARED
その夏、少年は大人への扉を開けた |
- ぼくは怖くない/ジュゼッペ・クリスティアーノ
- ¥3,455
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監督: ガブリエレ・サルヴァトレス
製作: マルコ・キメンツ
ジョヴァンニ・スタビリーニ
マウリツィオ・トッティ
リカルド・トッツィ
原作: ニコロ・アンマニーティ 『ぼくは怖くない』(ハヤカワepi文庫刊)
脚本: ニコロ・アンマニーティ
フランチェスカ・マルチャーノ
撮影: イタロ・ペットリッチョーネ
音楽: エツィオ・ボッソ
出演: ジョゼッペ・クリスティアーノ ミケーレ
マッティーア・ディ・ピエッロ フィリッポ
アイタナ・サンチェス=ギヨン アンナ
ディーノ・アッブレーシャ ピーノ
ディエゴ・アバタントゥオーノ セルジョ
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イタリアの小さな村を舞台に、一人の少年が大人たちのある秘密を知り、葛藤しながらも勇気を持って一歩を踏み出していく姿を美しくノスタルジックな映像で綴った成長物語。
原作は、本作で脚本も手掛けているニコロ・アンマニーティがイタリアの文学賞を受賞した同名ベストセラー小説。
監督は「エーゲ海の天使」のガブリエレ・サルヴァトレス。
1978年の夏、南イタリア。麦畑が一面に生い茂る小さな村に住む10歳の少年ミケーレ。
彼はある日、廃屋の裏で不思議な穴を発見する。
中を覗いてみると、なんと鎖に繋がれている少年がいた。
事態が飲み込めず混乱するミケーレ。
恐怖のあまり誰にも打ち明けられない彼だったが、どうしても気になって何度も穴に行くようになる。
やがて、穴の中にいた少年フィリッポも心を開き始め、2人は次第に友情を育んでいく。
しかしある時、ミケーレは彼の父や村の大人たちが交わす会話を盗み聞いてしまう。
どうやらそれは、あのフィリッポに関わる何か恐ろしいことのようだった…。
★★★★★★☆☆☆☆
これ・・ファンタジーなんですね。
どっちかというと・・
怖いもの大好きな私は意外にもこのほのぼの映画でびっくりした。
スティーブン・キング?M・ナイト・シャマラン?
いいえ全然違うんですがそんな感じの世界なんだなぁ・・
だから好き。
わかっていてもびっくりして叫んでしまったのだけれど、
あの穴の中から出てきたあの・・あの子不気味すぎ(苦笑)
そうかその軽いノリかとコメデイも混じってて見ていて納得していたのですが、
後半の急展開はある意味感動できない人も多いのでは?
私は最初の穴のシーンと同じように製作者の思うツボにはまりました。
子役が気に入るかどうかも重要です(爆)
穴に幽閉された不気味な子。
絶対本当はかわいいんじゃないか?と見ていた。
この子役を見るとM・ナイト・シャマラン監督の世界ですよ(監督違いますが)
そしてやっぱりイタリア映画って・・
変な世界。
中だるみが必ずある。
音楽はきれい。
映像が絵画のように美しい。
残酷な描写を軽くする。
子役中心なので子供がたくさん出てきますが、
男の子ふたり以外に妹の変な役が気になります。
ほんとに変な子なんですがリアリテイがあるのです。
腕がもげた人形の髪をつかんで水遊びとか・・
不気味なんですがありえます。
とにかくこの村に住んでいるのは変な人ばかりで、
でもどこか見覚えがあるのです。
どこにでもいる変わった人たち。
物語はわかりやすい。
見終わった後、
何でこのラストに感動したんだろうか?と自分で考えた。
たぶん登場人物に感情移入できて応援しちゃってたんだろうなあ・・
それが描けているのが最初のほうの子供たちの描写。
誰にでも経験あること。
罰ゲームで太い女の子が裸にならなければならない。
それを止めてかばうのが主人公の男の子。
女の子だから?嫌がってるから?
それはわからないけれども、
この短いシーンで主役の男の子の子供から青年に変わる自覚。
弱いものを守ろうとする正義感。
それがよくわかる描写です。
ここを軽く見逃すとそれからこの子供が誰かの命を救うことに疑問を持つと思う。
家庭環境やら過疎化された村の形態や子供の成長・・
ここらは中だるみなのですが子供の成長記と思って見ましょう。
主役の男の子は幽閉された男の子に自分を重ねていたと思う。
そこから出たがっているのは自分なのだと。
穴の中の子は自分なのだと自覚していたはず。
タイトルの「ぼくは怖くない?」というのはそうも取れるのです。
最後のどんでん返しはそんな強引なというところですが、
こういう終わりも派手でよいかも・・(ちょいハリウッドっぽい)
シックスセンスに代表されるシャマラン監督作が好きな人は楽しめるかも。
死んでいたとか蘇生するとかのホラーではありません。
まず自分を中心に考える大人の目線で見ると絶対ありえない。
そこはファンタジーということで大甘に・・